勝水と勝ちま栗の祠

勝ち水2 乃木神社には、創建当初から御神水として、かつての伏見城の名水と水源を一にする名水「勝水」が昼夜涼濠と湧き出し、勝運の縁起水として崇められていました。
 ある時期には武運長久の御神水として、参拝者はこれで手を洗い、口を注いでお参りし、また水筒などに詰めて家に持ち帰って、神棚に供えて、家運の隆盛、健康長寿を祈願されてきました。しかし、その後の周辺開発により枯渇するようになり、往時を知る方々から懐かしむ声が上がっていました。
 
 病気回復、心身の安らぎを求めて、御神水を受けたいと訪れる人も多く、掘削を試みたところ地下80数メートルのところで取水に成功し、平成18年(2006)水無月に60数年ぶりの「勝水」復活となりました。
 勝水は、霊験新たかな御神水として、飲用をはじめ病気平癒、元気回復、勝運縁起の水として、遠方からもこの水を求めて参拝されています。
 
勝ち水
 
 湧水が復活したその日、奇しくも参拝に来られた方が、これも何かの御縁と新しい手水鉢とともに「勝栗像」を祀る祠の寄進を申し出られました。「勝粟」は昔、戦場に出る武士がこれを食べて出陣したという故事に倣っており、乃木大将の大好物でもありました。そこで、参拝される方の身と心、行為の全てが勝運に結びつくという信仰から「『全てに勝ちま栗』の祠」 と名付けられました。

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