宝物館
創建と同時に建てられた蔵造り二階建ての館内には、乃木大将御在世中の思いやり、気遣いの細やかさが伝わる直筆の書簡類を始め、将卒と苦難をともにせられた軍人乃木大将を偲ぶ刀剣・武具等や、乃木夫妻の生活ぶりを伺わせる質素な生活調度品、また大正天皇や宮家の御太刀や陸・海軍将官への御下賜刀の作刀に尽力した名工、月山貞勝作の御神刀二振を始めとする数々の奉納品、さらには、女性の明治期のドレスとしては、付属するコルセット、ペチコートなどの下着類もが完全な一揃として現存する本邦唯一の資料である、靜子夫人が明治天皇銀婚式御祝典の折御着用のドレスなど、百数十点の宝物を収納しその一部を展示しています。これらの多くは、乃木夫妻殉死の後、親族・知人に形見分けされた遺品を、当神社創建にあたり寄贈いただいたものです。尚、通常展示では
七寶焼大花瓶 一對 梶 佐太郎 作
乃木大將木像 一躰 長谷川榮作 作
靜子夫人木像 一躰 長谷川榮作 作
鐡製胴 一具 傳來 明珍 作
乃木神社社号掛軸 一幅 閑院宮載仁親王御真筆
中形湯帷子 一着 靜子夫人御着用鈍色麻単衣、遺れる点々たる血痕
長靴一足・短靴三足 大将の意匠による、左右の別無し
英国式燕尾服 一揃 明治四十四年、渡英の折新調せしもの
洋杖 一本 大将聯隊長時代に銃身を応用せしもの
大将自筆祭文 一本 山鹿素行先生贈位報告祭の祭文
など、貴重な遺品や文化財が展示されています。
近年は建物や展示品の経年劣化が激しく、年々その維持管理が困難になってきています。